Mozillaがなぜhubs cloud AWSマーケットプレイスを終了したのか考察してみた
WEB動向考察
2024年2月2日
Mozilla Hubsは、オープンソースのメタバース空間を構築できる革新的なサービスです。Hubsには、Mozillaが運営するサブスクリプション版と、ユーザーが任意の場所で自由に構築できるHubs Cloudがあります。中でも、AWSマーケットプレイス経由でアクセス可能だったHubs Cloud AWSは、専門知識が少ないユーザーでも容易に構築できる手軽さで知られていました。しかし、今年初めにこのマーケットプレイス経由のサービス提供が終了しました。この記事では、Mozillaが公式に発表した終了の理由と、それを踏まえたHubsが今後取りうる方向性に関する私の考察をご紹介します。
目次
Hubs Cloud AWSの終了の理由
MozillaがHubs Cloud AWSマーケットプレイスの提供を終了した主要な理由は、AWSマーケットプレイスを通じた運用がプラットフォームアップデートの対応及び顧客インスタンスとの互換性維持に、膨大なリソースを要求したことにあります。この結果、重要なアップデートのリリースが遅延し、結果として顧客満足度への負の影響が見られました。
参考文献
https://hubs.mozilla.com/labs/welcoming-community-edition/
私の考察
サブスクリプションモデルへの集中
Mozillaは、自社が運用するサブスクリプションプランへユーザーを集約させたいと考えている可能性があります。この推測は、フォートナイトやロブロックスのようなゲーム型メタバースプラットフォームから得られたヒントに基づいています。
これらのプラットフォームは、プレイヤーがバーチャル空間で他のユーザーと交流し、自分だけのゲームや体験を創出できる環境を提供します。このようにして、世界中で幅広い人気を集めています。フォートナイトやロブロックスの事例が示す通り、メタバースを魅力的に保ち、その持続可能性を確保するためには、ユーザーに具体的な価値を提供するメカニズムが必要不可欠です。
メタバース内での課金購入システム
サブスクリプションサービスでアバターやシーンの購入が可能になることで、メタバース空間はより魅力的で活動的な場所へと変化します。この点で、フォートナイトやロブロックスの成功事例は参考になります。これらのプラットフォームでは、ユーザーがゲーム内アイテムやアバターを購入し、個性的なバーチャル体験を自由にカスタマイズできる仕組みが大きな人気を博しています。Mozilla Hubsも、Spokeというブラウザベースのアプリケーションを通じて、ユーザーが簡単にシーンを作成できる環境を提供しており、将来的にはフォートナイトやロブロックスに見られるような、ユーザー参加型の経済モデルを取り入れる可能性があります。これにより、Hubs内でのユーザーの創造性と参加意欲をさらに促進することが期待されます。
非営利団体としての挑戦
ただし、Mozillaは非営利団体であり、フォートナイトやロブロックスのような商業モデルへの移行は、その理念との間で矛盾を生じさせる可能性があります。メタバースの活性化に向けた取り組みは、Mozillaの非営利の立場とどのように一致させるか、今後の大きな課題となるでしょう。
まとめ
Mozilla HubsがHubs Cloud AWSマーケットプレイスを終了したのは、技術的な課題の解決だけでなく、より大きなビジョンへの再調整を図るためかもしれません。メタバースが提供する無限の可能性と、その中でユーザーが創造的に活動するための持続可能なプラットフォームを構築すること。これがMozillaが目指す方向であり、その過程で直面する非営利団体としての矛盾や課題に、どのように対処していくかが注目されます。
最後に、弊社WEBLICではMozilla Hubsを活用し、魅力あふれるメタバース空間の構築に励んでいます。メタバースに興味をお持ちの方は、ぜひデモ空間を体験してみてください。詳細はメタバース構築のサービスページでご覧いただけます。