Spatial!ブラウザでアクセス可能なメタバース
WEB動向考察
2024年5月7日
メタバースと聞いて何を思いつきますか?VRゴーグル、ゲーム、ARなどが真っ先に思いつくかと思います。実際、アップルが米国で高性能なVRゴーグル「Studio PRO」を発売したばかりです。しかし、「Studio PRO」は高価ですし、VRゴーグル自体、長時間の使用には不便さや疲労感が伴います。
そこで弊社のメタバース構築サービスではブラウザ動作をベースとしたHubs Community Editionを採用しています。ただし、HubsはMozillaからコミュニティ主導へと運営母体が移行したことで、別のプラットフォームを模索する必要がありました。もちろんブラウザで動くメタバースが絶対条件です。それでSpatialがブラウザベースで動くメタバースっぽいので今回はSpatialの紹介と、Hubsとの比較を解説します。
目次
Spatialとは
Spatialは、ユーザーが簡単にバーチャル空間を作成し、世界中の人々とコミュニケーションを取ることができるプラットフォームです。このプラットフォームはブラウザベースで動作し、特別なハードウェアを必要とせずにアクセス可能です。この手軽さが、社会的ゲーミングやコミュニティの形成において大きな利点となっています。
HubsとSpatialの比較
HubsとSpatialの大きな違いとしてはHubsはオープンソースで自社のサーバーにインストールして運用できるのに対し、SpatialはSpatialのプラットフォーム上でしか動作しないという点です。その他にも以下の違いがあります。
アカウントの有無
- Hubs: アカウントの作成は不要(マジックリングでログイン)
- Spatial: アカウントは不要。ただしログインしないとチャットやマイク機能が使用できません。
画面共有
- Hubs: 画面共有およびカメラ使用が可能。
- Spatial: 画面共有のみ可能。
動作環境
- Hubs: PCおよびスマートフォンでブラウザからアクセス可能です。
- Spatial: PCはブラウザからアクセス可能、スマートフォンは専用アプリのインストールが必要。
オープンソース
- Hubs: オープンソース。自社サーバーにインストール可能。
- Spatial: Spatialのプラットフォーム内のみで利用可能。
HubsのシーンをSpatialで使ってみる
hubs用に作られたシーン(部屋)を無加工でそのままSpatialに読み込ませることができるか試してみました。
上記2枚の写真を見比べてみると、サイズ感が若干違うのと、入り口付近、ドームの裏側のテクスチャが正しく再現されていません。結果として8割程度の再現となります。やはり共通のファイルを使い回すことはできませんでした。
ただし、Hubs用に作ったシーンを少し調整することによってSpatialでも問題なく実装可能です。下の写真はSpatial用に調整したシーン。HubsもSpatialもブラウザベースで動かすため、ファイルサイズなどの制限が厳しいですが、SpatialではHubsに比べて光や反射がよりリッチに表現できます。
今回はSpatialを軽く触ってみた感想と、Hubsとの比較をお伝えしました。
最後に弊社ではHubsを利用したメタバース空間の構築や今後、Spatialを使ったメタバース構築のサービスもリリース予定です。メタバース空間の構築をお考えの方はお気軽にお問い合わせください。