メタバースにおけるブラウザの役割とその重要性
WEB動向考察
2024年5月28日
近年、メタバースという言葉が広く知られるようになり、仮想空間でのコミュニケーションやエンターテインメントが注目されています。メタバースの利用方法には専用アプリケーションを用いるものも多いですが、私はブラウザで動作するメタバースが今後の標準となるべきだと強く考えています。
目次
ブラウザで動くメタバースの紹介
ブラウザでアクセスできるメタバースの代表的な例として、Mozilla Hubs(現在はコミュニティによる運営に変更)やSpatialがあります。これらのサービスは、専用のアプリケーションをインストールする必要がなく、ウェブブラウザさえあれば手軽に利用できる点が特徴です。特にゲーマーなどどうしてもそのゲームがやりたいユーザーにとっては専用アプリのインストールは苦ではないですが、一般的なユーザーにとって、専用アプリのインストールは敷居が高く感じられることが多いため、ブラウザでのアクセスは大きな利点となります。
操作性に関する課題と改善策
弊社ではクライアント様との打ち合わせに積極的にメタバースを利用しています。先日とあるオンライン会議でクライアント様とHubsを使って打ち合わせをした際、画面共有の画面が見づらいとのご指摘を受けました。Zoomなどのソフトの場合、2D(平面)で共有できるためユーザーは何も気にせず画面を視聴することが可能でしたが、Hubsの場合は、まず最初に画面の見やすい位置まで移動しないと共有画面が見えづらいという問題があります。
このような課題に対して、Hubsはオープンソースのソフトウェアであるため、今後自らソースを調整して対応できる可能性があります。例えば、デフォルトで見やすい位置に画面を固定する機能を追加するなどの改善策が考えられます。
ブラウザベースのメタバースを支えるWEB技術
ブラウザで動くメタバースは、JavaScriptなどのWEB技術を駆使して実現されています。WebGLを利用して高品質な3Dグラフィックスを描画し、WebRTCを用いてリアルタイムのコミュニケーションを実現するなど、最新のWEB技術が活用されています。これにより、ユーザーは特別なハードウェアやソフトウェアを必要とせず、普段使い慣れたブラウザで仮想空間を楽しむことができます。
ただし、PCのスペックが低いと、ブラウザが固まってしまい、思うように動かないといった事象があります。例えば、低スペックのPCではZoomは正常に動作するのに、メタバースが動かないというケースがあります。これは、メタバースがより多くのグラフィックリソースを必要とするためです。このため、低スペックのPCでもストレスなく動作するように最適化することが課題となっています。
この課題に対しては、軽量化されたグラフィックオプションの提供や、負荷を分散する技術の開発が進められています。例えば、WebGLのパフォーマンスを向上させる新しいアルゴリズムの導入や、クラウドレンダリング技術の活用などが期待されています。これにより、今後はより多くのユーザーが快適にメタバースを利用できるようになるでしょう。
今後の可能性
ブラウザで動作するメタバースのもう一つの魅力は、他のWEB APIとの連携が容易であることです。例えば、Googleドキュメントやスプレッドシートをメタバース内で共有したり、各種SNSと連携して情報をリアルタイムで配信することが可能です。これにより、メタバースの利用シーンが広がり、教育、ビジネス、エンターテインメントなど多岐にわたる分野での活用が期待されています。
まとめ
ブラウザで動作するメタバースは、誰でも簡単にアクセスできる点で大きな魅力を持っています。最新のWEB技術を使用し、他のWEBサービスとの連携も可能なこれらのプラットフォームは、今後ますますその重要性を増していくと感じます。
最後に弊社ではHubsを使ったメタバース空間の提供サービスを行っております。興味のある方はぜひ見てください。
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